『魚派列島 にっぽん雑魚紀行』(甲斐崎圭)では、隠岐で食用にされるのは、紫色の汁を出すアメフラシで、その汁を出さない他種のアメフラシ(アマクサアメフラシなどか?)は、食用に向かないとされるとあります。
獲れたアメフラシは背中の方から指を入れて、紫色の汁を出す器官を含む内臓系を取り除き、茹でます。茹でると体積が1/10程度まで縮むようです。その後、この茹でたものを黒い汁が出なくなるまで強くもみます。
『三平の食堂』(白土三平)では、獲れたアメフラシを海中で洗いながら内臓系を取り除き、60度程度のお湯でさっと茹でる(長く煮ると固くなるのでアクが出たらすぐに火から下ろす)とあります。
前書では、 酢味噌あえ、醤油煮、天ぷら、後書では、酢味噌あえが取り上げられています。「うみうし通信vol.1」においても 酢味噌あえが取り上げられていた記憶があります。
なかなか自分で獲って調理する機会が無かったので、大阪市中央区にある隠岐料理の居酒屋で、メニューにないのですが頼んだら出てきました。ふるさとの味のようです。
酢味噌あえのアメフラシ自体にはほとんど味がなく、無味の中に少しばかり苦みが残り、うみのいきものらしさを感じさせます。
思った以上に難の無い味・食感だったので、ワタシも自分で調理してみたいと思いました。